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第1回 寺子屋塾レポート

去る、8月21日〜27日、東京芸術劇場アトリエイーストにて【寺子屋塾】を開催いたしました。
講義の内容をレポートいたします。
 
【講師】石井強司・伊藤雅子・土屋茂昭・堀尾幸男・松井るみ(敬称略)
【運営サポート】
 秋山光洋・池田ともゆき・香坂奈奈・寺田真理・冨澤奈美・長峰麻貴・松村あや/古謝理沙(秋山氏アシスタント)
【会場】東京芸術劇場アトリエイースト
【日時】2017.8.21-8.27
【時間割】午前:概論(座学)10時半−12時 / 午後:実在実習12(座学・実技)13時−18
【協賛】
 株式会社イルミカ東京 株式会社コマデン 株式会社俳優座劇場
 株式会社入江製作所 金井大道具株式会社 有限会社シー・コム
 株式会社シミズオクト 東宝舞台株式会社 株式会社マイド 森平舞台機構株式会社
【後援】東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
【主催】JATDT日本舞台美術家協会

821日:全体オリエンテーション

□午前:概論(座学)
□講師:石井強司・伊藤雅子・土屋茂昭・堀尾幸男・松井るみ(敬称略)

講師陣が全員集まり、全体オリエンテーション。
JATDTの紹介の後、舞台美術史をテーマに、ディスカッション。
1600年にシェイクスピア・歌舞伎・オベラが生まれている事など、同時期に世界で起こった演劇の比較をしつつ、開帳場の成り立ちや、世界から日本に入ってきたリアリズムの話まで、多岐に渡って掘り下げる。
12時〜13時、劇場見学。シアターEAST・プレイハウスを東京藝術劇場の白神氏の解説で見学。プロセニアム・バトン・セリの話など、劇場機構について伺う。

□午後:実在実習1(座学)・実在実習2(実技)
□講師:堀尾幸男

今回の課題戯曲『夕鶴』をプランするに当たっての美術家としての心得について。
演出の技法/戯曲の読み方/音楽からの発想/図面・模型についてなど
※講義終了後、今回の想定空間となる『シアターWEST』の劇場見学。 

8月22日

□午前:概論(座学)
□講師:伊藤雅子

『美術家の仕事の流れ』についての話。
氏が手掛けた作品の図面・模型・サンプル等を元に、演出家との打合せから、ラフデザイン・プラン・模型・発注・仕込み・リサーチ方法に至るまで細部に渡って解説。
松井るみ氏の助手時代の話や、オランダに海外研修に行った話も伺う。

□午後:実在実習1(座学)・実在実習2(実技)
□講師:堀尾幸男

冒頭、伊藤氏にも参加していただき、伊藤氏・堀尾氏の対談。昨今、演出家は男性が多いのに対し、女性美術家が増えている話や、現場での美術家としての立ち振る舞いの話など。
その後、足跡姫のプランを例に挙げ、開帳場・盆の演出効果、演出意図、機構の危険性などの話。
この日より劇場模型の製作開始。
※製作冒頭に古謝氏による模型製作の基礎講習も行いました。

■8月23日

□午前:概論(座学)
□講師:石井強司

『美術家は何処からきて、何処へ行くのか?』をテーマにした、石井氏によるプリントを元に、氏の目線を通した過去から現在に至るまでの演劇界・美術家とはの話。

□午後:実在実習1(座学)・実在実習2(実技)
□講師:堀尾幸男

石井氏に午後からも参加していただき、石井氏による夕鶴の話を伺う。
伊藤熹朔氏がプランを手掛けた『夕鶴』では、『与ひょうの家』は上手に配されている話を軸に、受講生は上手・下手・センターのどこに『与ひょうの家』を配するプランにしたかの意図を問い、順に質疑応答。
その後、当日サポートの池田氏に、インタビュアーとして参加していただき、石井氏と堀尾氏の対談。
演劇を志した切っ掛けから、両氏が若い頃に日本が影響を受けた海外演劇(アメリカ・ドイツ・フランス・ロシアなど)の各国の表現の違いや戯曲の特色の話、両氏が自身で小道具や大道具を製作する事で学んだ技術や素材の話など。
後半『夕鶴』のスケッチを進める。

■8月24日

□午前:概論(座学)
□講師:土屋茂昭

前半:土屋氏がプランを手掛けた作品を『私がたどり着いた舞台美術の発見と発想』をテーマに、写真.動画・図面をまとめたスライドを見ながら解説していただく。
金森馨氏の言葉『誰も気づかなかったろうな。わからなくたっていい。僕らには、常にデザインの必然性がある。それなしには、この仕事はやれないのだ』の紹介。図面のファイルも、順に閲覧させていただく。
後半:氏の美術家に必要な格言の話。
『本の中に答えは必ずある。』『根拠のない楽天性(理想がないから挫折しない)』『感性は才能がいる』など。

□午後:実在実習1(座学)・実在実習2(実技)
□講師:堀尾幸男

土屋氏に午後からも参加していただく。
『夕鶴』のイメージスケッチから模型に立ち上げていく日。講師がレクチャーしながらイメージを具現化。

■8月25日

□午前:概論(座学)
□講師:松井るみ

松井氏によって作成された演劇業界の縮図のプリントを元に、助手に求められる資質と美術家として必要な資質の違いなどを交えた、『美術家になるための道筋』の話。受講生に質問を投げかけ、全員から考えを引き出しつつ、美術家になるための的確なアドバイスをいただく。

□午後:実在実習1(座学)・実在実習2(実技)
□講師:堀尾幸男

翌日の講評に向けて、模型製作に集中。講師はその都度アドバイスに応じる。講評に参加できない事がわかった受講生の講評も、臨時で行った。

■8月26日:講評

□午前:受講生と当日サポートメンバーで設営
□午後:講評
□講師:石井強司・伊藤雅子・土屋茂昭・堀尾幸男・松井るみ

全講師陣による6時間に及ぶ講評。
受講生は、持ち時間の中で、ライトボックスを使用してプレゼン。図面やスケッチを一緒に見せる人も。酸欠になりそうな熱気の中、手加減なしの批評。限られた時間の中でプレゼンをする際に必要な姿勢や、模型の表現方法の細やかなアドバイスもあり、緊張と緩和のある充実した講評会となった。
講評会の後は、講師陣も参加して、親睦会。最後は五本締め。片付けの後、記念撮影。

■8月27日:公開展示・撤収

講評を受けて、個々にブラッシュアップした模型の公開展示。入場無料で、一般の方にも観ていただく。
最後は生徒も一緒に撤収。バラシを終えた後の、受講者の名残惜しそうな笑顔が印象的だった。

■全体を通して

午前は、講師陣による『舞台美術家とは』をテーマにした話、午後は堀尾氏による講義+課題戯曲『夕鶴』のプランニングという大枠は決めながら、急遽対談が実現できたり、堀尾氏以外の講師陣からも『夕鶴』のレクチャーを受ける事ができたりと、美術家協会の催しならではのフレキシブさがあり、毎日が予測不能な得点付きでした。諸先輩方のバラエティに富んだ講義もさることながら、1コマ聴講の方を含め、参加者がとても意欲的で。受講者の既成概念に捕われない創作力にも、とても刺激を受けました。最終日に採ったアンケートを拝読したところ、またの開催を希望する声も多く、次に繋がる企画になったのではないかと思いました。

報告者:寺田真理(東日本支部)
入会について入会について
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